フリーランスだと年金も変わるって聞いたよ、本当?
その通り!会社員の頃は厚生年金だったけど、フリーランスになると国民年金になるのじゃ!
そもそもだけど…会社員だと年金は天引きだったから、ちゃんと仕組みを理解したことがなかったかも
フリーランスになったら特に、年金のシステムを理解することは大切じゃ!分かりやすく解説して行こう!
フリーランスを始める際には様々な手続きを行う必要があります。その作業の中でも大切なパートをしめるのが「年金」です。今まで会社員だった人は、お給料から自動的に天引きされていたため、年金について考える機会も少なかったのではないでしょうか。あなたはちゃんとその仕組みを理解していますか?
フリーランスになると、これからは自分自身で年金の支払いを対応する必要が出てきます。そんなことから、年金の基本的な知識をつけておくことが大切になるのです。この記事は、フリーランスの年金について掘り下げておきます。
この記事がオススメなのはこんな人!
- 年金の基本の仕組みがわからない人
- 厚生年金と国民年金の違いを知りたい人
- 国民年金の加入ステップを知りたい人
- 節税につながる方法を知りたい人
フリーランスは厚生年金ではなく、国民年金に加入する
まず大前提に、フリーランスになるには「国民年金」に加入しないといけないって聞いたよ
その通り!厚生年金は会社員が利用できる年金、フリーランスは国民年金のみだと覚えておこう!
今まで会社員として働いていた人がフリーランスや個人事業主になる場合、国民年金へ加入の必要があります。
- 国民年金って何?
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国民全員が20~60歳で加入する・保険料は一律(物価や賃金の伸びによって毎年変わる)。受給額は納付した期間で決定するもの。
年金を受給できる条件
- 老齢基礎年金:65歳から受給
- 障害年金:病気やけがで障害が残った場合に受給
- 遺族年金:保険者が死亡した場合、遺族である妻や子供が受給
フリーランスの国民年金と会社員の厚生年金の違いはなに?
そもそもだけど、「厚生年金」と「国民年金」の違いがちょっと曖昧かも。ちゃんと理解したいな!
基本の仕組みがわかると、「フリーランスの年金」について、ぐっと理解しやすくなるぞ!
会社員とフリーランスの年金の違い
会社員であれば、国民年金に厚生年金が上乗せされ、その分将来貰える年金も増えます。
厚生年金は20歳以下でも働いてある程度の収入があれば加入できます。毎年4月~6月の収入とボーナスを元に算出した保険料は会社と折半になるため、月々の保険料がかなり抑えられた状態です。
フリーランスは国民年金のみで厚生年金には加入できません。そのため貰う年金が少なくなるうえに、折半してくれる会社もないため、全て自己負担になってしまうのです。
ただし事情があれば、一部免除や免除の申請を受けることもできます。
国民年金は平屋だとすれば厚生年金は2階建て!
日本の年金は、全国民(20歳以上60歳未満)が加入する「国民年金(基礎基金)」がベースになっていて、さらに公務員や会社員が加入する「厚生年金」の2階建の仕組み。そこに個人年金をプラスして「3階建」と呼ばれることも。
会社員を辞めると、厚生年金の部分がなくなってしまい、自分で国民年金を支払っていくことになります。
国民年金の場合、扶養家族もまとめて納付!控除が可能
国民年金は、配偶者や子供など扶養家族がいる場合、家族の保険料も払わなければなりません。国民年金の納付対象者は、20歳以上60歳未満と定められています。
そのため学生やフリーター、専業主婦がいる場合も一人ひとりが国民年金に加入しなければなりません。保険料は家族の人数によって変わります。家族の分も払っている場合、全員分の国民年金も社会保険料控除対象になるので、節税効果もありますよ。
- フリーランスになったら国民年金
- 厚生年金は会社員の特権
- 国民年金は控除対象!
国民年金が控除対象なんだね!ここはフリーランスのメリットになりそう
厚生年金から国民年金に切り替えるために必要な手続き方法
国民年金への切り替えは、会社をやめたら自動的に反映されるものなの?
基本的には自分自身で切り替え手続きを行う必要があるんじゃ!
会社をやめてフリーランスになる場合、厚生年金から国民年金に自動で切り替わるシステムはありません。つまり、フリーランスになったら、自分自身で国民年金の加入をしないといけないのです。加入の手続きをしないでいると、年金未納になりますので注意しましょうね。
厚生年金から国民年金への切り替えは、お住まいの市区町村の国保年金課で行います。手続きの流れもしっかり理解しておきましょう!
厚生年金から国民年金への切り替え手続き
- 年金手帳(扶養に入っている配偶者がいる場合には、その方の年金手帳も)
- 退職日を証明する書類(退職証明書、健康保険喪失証明書、離職票…など)
- 写真付き身分証明書
- 印鑑
- 退職日から14日以内に提出
- 提出先は「保険年金課」
- 予約などは不要
- 年金手帳を紛失した場合には窓口で伝える
- 窓口で手続きすれば、その日のうちに新しい保険証が受け取れ、すぐに使えます。
- 国民年金の切り替えは自分で手続きしないといけない!
年金の仕組みや切り替え方法がわかったら、意外とシンプルで安心したよ!
フリーランスの年金は少ない?厚生年金と比較してみよう
フリーランスになると厚生年金がなくなるんだよね。ってことは将来もらえる年金もかなり減るのかな?
今後自分がどのくらい年金を受給できるのかは気になるのぅ。フリーランスと会社員で比べてみよう!
20歳から60歳までの40年間国民年金を納めている人の場合、どれだけ年金を受け取れるのか比べてみましょう。(*平成31年度)
フリーランスと会社員の年金受給はどのくらい違う?
比較内容 | 毎月の年金受給額 |
---|---|
フリーランス | 約6.5万円/月 国民年金の満額 |
会社員 賞与を含む月額収入が42.8万円の場合 | 約15.6万円/月 国民年金の満額6.5万円+厚生年金 |
フリーランスは将来貰える年金の額がどうしても少なくなります。そのため個人年金を掛けるなどし、自身で備えなければなりません。
参照:厚生労働省
- フリーランスになると国民年金のみ。厚生年金のある会社員とは受給額に差がつく!
- 将来に備えて個人年金や貯金を行うと安心
フリーランスは老後のことも含め、自分で備えておかないといけないんだね!
フリーランスが年金を増やすための秘策3つ
フリーランスが支払う国民年金は控除対象なんだよね!他にもお得な情報があれば知りたいな
フリーランスが将来もらえる年金を増やすには上乗せテクニックを駆使するのが一番じゃ
フリーランスは厚生年金が減る分、どうしても年金の受取金額が少なくなります。だからこそ、自身でしっかりと備えておかなければなりません!ここではフリーランスでも年金を増やせる3つの方法をご紹介します。
- 国民年金基金
- 付加年金
- 確定拠出年金iDeCo(イデコ)
上手く活用すれば2段階の部分を増やせる上に節税効果も!将来受け取れる年金の優遇措置や非課税措置もあります。少しでも将来の不安を減らしたい人は、チェックしてみてくださいね。
年金を増やせる3つの方法を比較!
年金の種類 | 年金の概要 | 加入条件 |
---|---|---|
国民年金基金 | ・公的制度 ・掛け金を自由に設定可能 ・途中解約や払い戻し制度は不可 ・掛金全額が所得控除の対象 | ・国民年金を払っている人(減額や免除を受けてない人) ・付加年金との併用は不可 ・イデコと併用する場合…掛け金の上限は合わせて月額68,000円まで |
付加年金 | ・国民年金の掛金に月々400円を上乗せして納める(将来的に「200円×納付月数」が加算) ・掛金全額が所得控除の対象 | ・基礎年金の受給資格が必須 ・国民年金基金との併用は不可 ・イデコと併用する場合…掛け金の上限が合わせて月額67,000円となる |
iDeCo(イデコ) | ・私的年金 ・月々5,000円から始められる ・掛金は全額所得控除(控除対象は本人の掛金分だけ) ・積み立てた資産は60歳まで引き出せない ・口座開設や維持にお金がかかる | ・厚生年金、国民年金に限らず加入可能 |
①国民年金基金
「国民年金基金」って聞いたことがあるだけで具体的な内容までは把握してないかも!
国民年金基金は公的年金制度じゃ
- 国民年金基金って何?
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掛金を自由に設定して年金を上乗せできる公的制度。
国民年金基金のメリット
国民年金基金の一番の安心ポイントこそ、「将来の安全に繋げられる公的制度」ということでしょう。また、カスタム性が高いのも嬉しいですね。
掛金は年齢と性別によって異なり、例えば35歳女性なら月額15,000円です。また2口目として5,000円程度プラスすることで、さらに掛金を増やすこともできます。
国民年金基金の注意点
国民年金基金はもともとの年金に上乗せされる制度です。そのため、国民年金をきちんを払っている人でないと加入はできません。
また付加年金との併用もできず、減額や免除を受けている人も加入できませんので注意しましょう。もしイデコと併用する場合は、掛け金の上限は合わせて月額68,000円までとなります。
途中解約ができず、払い戻し制度もないため注意しましょう。またインフレには対応できない可能性があります。
②付加年金
付加年金…聞いたこともない単語だよ!難しいのかな?
大丈夫。付加年金はそこまでややこしくないから、すぐに理解できるぞ!
- 付加年金って何?
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国民年金の掛金に月々400円を上乗せして納めることで、将来受け取る年金が増えるものです。付加保険料を納めることで、将来的に「200円×納付月数」が加算されます。
付加年金のメリット
メリットはなんといっても元が取れやすいお得なシステムだということ。例えば20歳から60歳まで毎月行った場合、96,000円(200円×12カ月×40年)が毎年支給されるのです。
たったの2年で元がとれてしまうため、それ以降は生きていれば毎年96,000円が入ってきます。とてもお得な制度なのですよ。
付加年金の注意点
とってもお得な付加年金ですが、注意点があります。まず基礎年金の受給資格がないと使えません。また、国民年金基金との併用もできません。
さらに老齢基礎年金の受け取りを繰り上げた場合はその分不可年金も減額されますし、老齢基礎年金が受給停止された場合(例えば障害基礎年金を受け取ることになった時など)も受け取れません。
イデコとの併用も可能ですが、その場合は掛け金の上限が合わせて月額67,000円となるのでご注意ください。
③確定拠出年金iDeCo(イデコ)
イデコ!少し前にかなり話題になったよね?
プライベートの年金制度がイデコじゃ!
- iDeCo(イデコ)って何?
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保険のように自分で選んで申し込みを行い、年金を積み立てられる私的年金のこと。掛金も自分で細かく設定ができ、月々5,000円の少額から始められるのも大きな魅力。
iDeCo(イデコ)のメリット
イデコの最大のメリットとして、厚生年金・国民年金に限らず加入でき、さらに掛金が全額所得控除できるのも大きな魅力です。年末調整や青色申告を行うことで、毎年税金が戻ってきますよ。国民年金や厚生年金と組み合わせることで、より豊かな老後を迎えることができます。
運用も非課税で再投資可能。通常金融商品は運用益に課税がされますが、イデコにはそれがありません。利益がまるまる手に入るのも、注目すべきポイントでしょう。
iDeCo(イデコ)の注意点
注意点もいくつかあります。まず一度運用を始めたら、60歳まで積み立てた資産を引き出せません。受給金額は運用に左右され、リスクも本人が負います。また、控除対象は本人の掛金分だけです。
口座開設や維持にお金がかかることも忘れずに。イデコを始める時に口座開設料として2,829円が、その後も毎月171円がかかります。イデコは何十年と掛けるものです。手数料を意識して、運用を検討する必要がありますね。
- フリーランスが追加で加入できる年金は「国民年金基金」「付加年金」「iDeCo(イデコ)」
- どれも控除対象だから、節税にもつながる!
将来受け取れる年金が増えるのに、控除対象!お得に貯金ができるすごいシステムだね!
小規模企業共済を利用すれば退職金としても利用できる
フリーランスになると退職金がないって聞いたよ。そしたら自分自身でいざという時に備えて貯金するしか対策がないのかな
フリーランスには退職金はないけど、代わりになる「小規模企業共済」という制度もあるんじゃよ
- 小規模企業共済って何?
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小規模企業共済は、中小企業や開業した個人事業主などが万が一廃業した際に、これまで積み立ててきたお金を受け取れる制度です。
小さな会社やフリーランスはなかなか退職金までを準備するのは難しいので定年退職後が不安ですよね。小規模企業共済は保険金を退職金代わりにもできるため、安心して働けるようになります。
また全額が経費(個人事業主の場合は所得控除)となるため、掛けるほどに節税になるのも大きな魅力です。
小規模企業共済のメリット
小規模企業共済の最大のメリットは、掛けた期間に応じて最大120%相当額が戻ってくること。これは銀行と比べても高金利であることがわかります。また受給する際に課税されますが、「退職所得」として受け取れば、大幅に節税されます。
さらに万が一の時には資金調達の手段となるのも大きな魅力。いざという時は、積み立てている範囲内であれば共済から資金を借りられます。
小規模企業共済のデメリット
節税効果としてメリットも高い小規模企業共済ですが、受け取り時に課税されるのがデメリット。しかし事業所得の一部として掛金を払い、受け取り時は退職所得とすれば、トータルの税金は安くなります。
また加入したものの、数年で止めてしまうと元本割れを起こす恐れがあります!12か月未満で解約した場合は掛け捨てになり、20年未満で解約→解約手当金が掛金を下回るため注意しましょう。
【番外編】フリーランスは国民年金の「追納」や「後納」した分も節税対象に!
羊ちゃん、国民年金は今までちゃんと払っているかい?もし未納分があるならば、支払うことでメリットになるんじゃ!
未納分を支払うと良いことがあるの?支払い額が増えて家計が大変になりそう
過去に支払っていない国民年金があれば、追納や後納をすることで将来の年金受取額を増やせます。さらに忘れてはいけないのが、この追納・後納した金額自体も控除対象になることから、節税効果も!
今まで免除や減額を受けた分があれば、余裕ができたときに10年まで遡って数カ月~数年分を追納することが可能。また放置していた分がある人は、「後納制度」を利用し、過去10年分まで後納できます。
- フリーランスは後から納めた年金もまとめて控除の対象にできる&将来もらえる年金が増えるため、しっかりと払ったほうがお得!
控除対象が増えて税金がへるのに、年金受給額が増えるのは嬉しいね!
フリーランスの年金は不安も多い!だからこそ、制度を学ぼう
難しそうな年金の仕組みも、蓋を開けてみたら思ったより簡単に理解できたよ!あとはどうやって年金を増やすかだね!
厚生年金はなくなるけど、その代わりになる制度をうまく活用するのがポイントじゃ!
フリーランスは会社員のような手厚い年金制度はなく、不安がたくさんあります。しかし国民年金基金や付加年金に加入することで、年金を上乗せし、加入者は会社員との差を埋めることも可能なのです。
また公的なものだけは不安な人は、イデコや小規模企業共済を組み合わせればさらに安心でしょう。もちろん利用後は節税のため、確定申告は忘れずに!
誰もが老後の不安を抱えています。それを少しでも減らすために、年金制度は賢く選びましょう。